イモラ家では、マネースクエアのトラリピでAUD/JPY、CAD/JPY、NZD/USD、MXN/JPY(メキシコペソ)の4つの通貨ペアを運用してきました。
しかし、NZD/USDのマイナススワップに嫌気がさして、NZD/USDの運用をやめたのは先日報告したとおりです。
いろいろと検討した結果、NZD/USDの代わりに英ポンド(GBP/JPY)の運用を始めることにしました。

ポンドよりユーロのほうが安定してそうだけど…。

ユーロは残念ながらスワップがマイナスなので却下!
今回の記事では、GBP/JPYを選んだ理由とその運用条件について書いています。
トラリピでGBP/JPYを選んだ理由
今回、NZD/USDに代わる通貨ペアとしてGBP/JPYを選んだ理由は主に次の3点です。
- スワップがプラス
- 値動きが激しい
- 現在値が割安
順番に説明していきます。
スワップがプラス
私がNZD/USDの運用をやめたのは、マイナススワップと付き合っていくのがイヤになったからです。
そこで、NZD/USDの代わりの通貨ペアを探すに当たって条件としていたのが、「スワップがプラス(ゼロでもOK)である」ということ。
この条件を満たす通貨ペアを探すために、まず、マネースクエアで扱っている全通貨ペアの2007年7月~2019年11月のレートの最高値と最低値から中央値を求めました。
この期間を選んだ理由は、直近の大暴落である2008年のリーマンショックを考慮するためです。
そして、2019年11月28日時点の現在値が中央値より低い場合は「買いレンジ」、高い場合は「売りレンジ」と判定しました。
そうしてまとめたのが下の表で、現在のレンジでのスワップを赤字で示しています。

スワップがプラスなのは、AUD/JPY、NZD/JPY、CAD/JPY、GBP/JPY、TRY/JPY(トルコリラ)、ZAR/JPY(南アランド)、MXN/JPYの7つ。
リスク分散の点からドルストレートを組み入れたかったのですが、この時点でドルストレートの通貨ペアは脱落。クロス円の通貨ペアのみとなってしまいました。
すでに運用しているAUD/JPY、CAD/JPY、MXN/JPYのトラップ本数を増やすのも1つの手ですが、運用ペアはできるだけ分散させたいところです。
となると、残る候補はNZD/JPY、GBP/JPY、TRY/JPY、ZAR/JPYの4つ。
新興国通貨であるTRY/JPY、ZAR/JPYは、スワップが大きいのは魅力的ですが、トラリピでの長期運用に向いているのかどうかについては疑問符がつきます。
それに、すでに新興国通貨のMXN/JPYを運用しているので、新興国通貨をこれ以上増やしたくはありません。
これで、NZD/JPYとGBP/JPYの2つまで絞られました。
NZD/JPYですが、すでに運用しているAUD/JPYとの相関が高いので、リスク分散の効果が小さくなってしまいます。
ということで、消去法で残ったのがGBP/JPYというわけです。

あっさりと決まったわね。
「スワップがプラス」という条件だけで一応GBP/JPYに決まったので、残り2つの理由は少し後付け的であることは否定できません(笑)。
ボラティリティが大きい
ポンドはボラティリティ(値動き)が大きい通貨としてよく知られています。
例えば、GBP/JPYとAUD/JPYの日足チャートを比べてみましょう。

AUD/JPYが1日で1円以上動くことはそんなにありませんが、GBP/JPYはかなりの頻度で1日で1円以上動いています。
トラリピはレートが上下する過程で利益を積み重ねる手法なので、ボラティリティが大きければ、それだけ大きな利益を生み出すことが期待できます。
しかし、ポンドは『殺人通貨』という異名を持っており、GBP/JPYの値動きの激しさは大きな損失にもつながりやすいというリスクがあります。
GBP/JPYはハイリスク・ハイリターンな通貨ペアと言えるかもしれません。
ポンドのボラティリティを経験してみたいという怖いもの見たさもあり、GBP/JPYの採用を決めました。

なんか物騒な通貨みたいだけど大丈夫?

ちゃんとリスク管理するから大丈夫!
現在値が割安
下のチャートは、GBP/JPYの2006年以降の長期チャートです。

リーマンショックでの暴落ぶりはまさに殺人的ですね(笑)。
しかしそれ以上にこのチャートで気になるのが、「GBP/JPYは長期でレンジ相場を形成していると言えるのか?」という点です。
今後のブレグジットの行方次第で2011年の安値を下回るようなことがあれば、長期的な下落トレンドを形成するかもしれません。
そう考えると、GBP/JPYはあまりトラリピ向きとは言えなさそうですが、消去法でこれしか残らなかったのでしょうがないかなと(苦笑)。

マイナススワップに耐えるよりマシでしょ!
救いなのは、GBP/JPYの現在値が142円程度と割安な水準となっていることです。
仮にここから下落したとしても、150円ぐらいまでなら戻ることはあるだろうと楽観視しています。
GBP/JPYのトラリピの運用条件
次に、GBP/JPYのトラリピの運用条件についてお話します。
まずは、GBP/JPYの運用資金ですが、NZD/USDの運用資金が790,000円だったので、これが上限となります。
続けて運用レンジを決めます。
先ほどと同じリーマンショック以降の長期チャートから最高値と最安値を探し、その中央値を求めます。最高値は251円、最安値は116円、その中央値は184円となりました。

中央値の184円より下側が買いトラリピ、上側が売りトラリピのレンジとなりますが、GBP/JPYの売りはマイナストラップなので運用する予定はありません。
資金が潤沢にあれば、買いトラリピを116円~184円という広い範囲に仕掛ければいいのですが、そこまでの資金はありません。
それに、リーマンショック前の高値を無視すれば、中央値を150円あたりで考えるのが妥当なようにも思えます。
そこで、現在値の142円を中心に上下8円の幅を取って、134円~150円のレンジに買いトラリピを仕掛けることにしました。
次にトラップ値幅と利益幅ですが、GBY/JPYは、AUD/JPYやCAD/JPYと比べると平均的に2倍程度の値動きをしています。
これは、平均的な1日の値動き幅を示すATRを比較すればわかります。こちらの鈴さんのサイトが参考になります。
我が家ではAUD/JPY、CAD/JPYのトラップ値幅を0.4円、利益幅を700円としているので、GBP/JPYはその倍でトラップ値幅を0.8円、利益幅を1,400円としました。
以上の条件で、ロスカットレートをリーマンショック以降の最安値の116円以下とするのに必要な資金を『トラリピ運用試算表』から求めました。
トラリピ運用試算表の使い方については、こちらの記事のステップ6を参考にしてください。
試算の結果、650,000円の運用資金でロスカットレートが115.7円となることがわかりました。790,000円以内に収まったのでこれでオッケーです。
マネースクエアとのタイアップ特典『トラリピ資金管理ツール』を使えば、もっと簡単かつ正確にロスカットレートを116円にするための資金を求められますよ!

余った資金はどうするの?

トッピングリピートに使うよ!
余った差額の140,000円はトッピングリピートに使うことにしました。トッピングリピートについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
最後にNZD/USDに代わってGBP/JPYを導入したあとの、基本トラリピの運用条件を表にまとめておきます。

今後、殺人通貨・ポンドがどういう成績を出してくれるかについても報告しますのでお楽しみに!