トラリピ大好きトラリパーのイモラです。
トラリピを始める際に、まず悩むのが「どの通貨ペアで運用するか」ではないでしょうか?
マネースクエアでは、2021年5月8日にリリースされるEUR/GBP(ユーロ/ポンド)も含めると、全15種類の通貨ペアを取り扱っています。
その中にはトラリピ向きの通貨ペアもあれば、逆に避けたほうがいい通貨ペアもあります。
先に結論を言うとこのとおり。
CAD/JPY、NZD/USD、EUR/GBP、AUD/NZD
TRY/JPY、ZAR/JPY
この記事では、トラリピにオススメの通貨ペアと運用してはいけない通貨ペアを、3つの判断指標に基づいて検証していきたいと思います。

通貨ペア選びの参考にしてください。
トラリピ向きの通貨ペアかどうかを判断する3つの指標
トラリピ向きの通貨ペアかどうかを判断する指標は次の3つ。
- レンジ相場を形成しているか?
- レートの高低差
- 100pips当たり総推移

では順番に見ていきましょう。
レンジ相場を形成しているか?
トラリピ向きの通貨ペアかどうかを判断する際に最も重要なのは、「レンジ相場を形成しているかどうか」です。
レンジ相場とは、一定の範囲でレートが行ったり来たりしている相場のこと。
トラリピは、レートが一定の範囲で上下する過程で利益を積み上げていく運用手法なので、レンジ相場であることは必須です。
レンジ相場を形成しているかどうかを判断するうえで悩ましいのが、どの程度の期間のチャートを参考にするかということ。
狭いレンジで攻めたい人は数年程度のチャートを重視するでしょうし、安心して長期運用したい人は20年程度のチャートを参考にしたほうがいいかもしれません。
私の場合、2008年のリーマンショックまでさかのぼって、レンジ相場を形成しているかどうかを確認することにしています。
以下では実際に各通貨ペアのチャートを見ながら、レンジ相場を形成していると言えるかどうかを確認していきましょう。
各チャートは、2008年4月~2021年2月のものですが、一部の通貨ペアではリーマンショック直前に異常とも思えるほど高値となっています。
その影響を除くため、チャートに記載している最高値、最安値、中間値は、リーマンショック直後の2008年10月以降のデータから求めています。

各チャートには、下半分を買い、上半分を売りとした場合のレンジを、参考までに示しています。
USD/JPY(米ドル/円)

USD/JPYは、75.6~125.9円の間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。
EUR/JPY(ユーロ/円)

EUR/JPYは、94.1~150.6円の間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。

リーマンショック直前の高値が少し気になりますが…。
AUD/JPY(豪ドル/円)

AUD/JPYは、55.1~105.4円の間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。
NZD/JPY(NZドル/円)

NZD/JPYは、44.3~94.0円の間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。
CAD/JPY(カナダドル/円)

CAD/JPYは、68.4~106.5円の間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。
GBP/JPY(英ポンド/円)

GBP/JPYは、116.8~195.9円の間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。

リーマンショック前は200円超えてたのね!
TRY/JPY(トルコリラ/円)

TRY/JPYは、長期間にわたって顕著な下落相場を形成しており、レンジ相場を形成していません。

きれいな右肩下がり(笑)。
ZAR/JPY(南アランド/円)

ZAR/JPYは、TRY/JPYほど顕著ではないものの、長期間にわたって下落の傾向を示しており、レンジ相場を形成していません。
MXN/JPY(メキシコペソ/円)

MXN/JPYは、長期的に安値を切り下げてきており、レンジ相場を形成しているかどうかは微妙なところです。
EUR/USD(ユーロ/米ドル)

EUR/USDは、長期的に高値を切り下げてきており、レンジ相場を形成しているかどうかは微妙なところです。
AUD/USD(豪ドル/米ドル)

AUD/USDは、0.55~1.11ドルの間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。
NZD/USD(NZドル/米ドル)

NZD/USDは、0.49~0.88ドルの間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。
GBP/USD(英ポンド/米ドル)

GBP/USDは、1.14~1.79ドルの間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。

少し微妙な感じもするけどオマケで○。
EUR/GBP(ユーロ/ポンド)

EUR/GBPは、0.69~0.98ポンドの間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。

これが噂の新通貨ペアね。
AUD/NZD(豪ドル/NZドル)

AUD/NZDは、1.00~1.38NZドルの間でレンジ相場を形成していると言えるでしょう。

AUD/NZDは2014年以降の狭いレンジで運用する人が多いです。
レートの高低差
次に高低差を見ていきましょう。
ある期間におけるレートの最高値と最安値との差を『高低差』と言います。
高低差が小さいほど、その範囲をトラリピでカバーする資金が少なくて済むので、トラリピに適しています。
先ほどの各チャートにも高低差を記載しておきましたが、改めて2008年10月~2021年2月の期間での各通貨ペアの高低差を比較したいと思います。
対米ドル通貨ペアは1ドル110円、EUR/GBPは1ポンド150円、AUD/NZDは1NZドル80円でそれぞれ円換算しました。
また、ZAR/JPYとMXN/JPYは、トラリピでの売買単位がほかの通貨ペアの10倍の10,000通貨なので、高低差も10倍にして比較しました。

有利な通貨ペアを青文字、不利な通貨ペアを赤文字にしています。
通貨ペア | 高低差 | 評価 |
---|---|---|
USD/JPY | 50.3円 | △ |
EUR/JPY | 56.5円 | △ |
AUD/JPY | 50.3円 | △ |
NZD/JPY | 49.7円 | △ |
CAD/JPY | 38.1円 | ○ |
GBP/JPY | 79.1円 | × |
TRY/JPY | 72.0円 | × |
ZAR/JPY | 74.8円 | × |
MXN/JPY | 55.3円 | △ |
EUR/USD | 52.8円 | △ |
AUD/USD | 61.6円 | △ |
NZD/USD | 42.9円 | ○ |
GBP/USD | 71.5円 | × |
EUR/GBP | 43.5円 | ○ |
AUD/NZD | 30.4円 | ○ |
高低差の観点からトラリピに適しているのは、AUD/NZD、CAD/JPY、NZD/USD、EUR/GBPとなりました。

AUD/NZDが断トツね!
一方、高低差が大きくトラリピに不利なのは、GBP/JPY、ZAR/JPY、TRY/JPY、GBP/USDという結果に。
100pips当たり総推移
トラリピでは、値動きが激しい(ボラティリティが高い)通貨ペアのほうが、利益を多く生み出してくれます。
値動きの激しさを見る指標として『総推移』、すなわち、ある期間での値動きの累積値がありますが、総推移は高低差の影響を大きく受けてしまいます。
そこで、『総推移÷高低差』で求められる『100pips当たり総推移』という指標によって、高低差の影響を排除した値動きの激しさを見ます。

狭い範囲でよく上下するほど、100pips当たり総推移は大きくなります。
100pips当たり総推移が大きいほど、トラリピ向きの通貨ペアと言えます。
マネースクエアから提供されているデータに基づいて、2017~2020年の各年の100pips当たり総推移の平均値を比較しました。
ただし、MXN/JPYとGBP/USDは2020年のデータしかなかったため、2020年の数値となっています。
また、EUR/GBPとAUD/NZDは同時期のデータがなかったため、数値は記載していません。
通貨ペア | 100pips当たり 総推移 | 評価 |
---|---|---|
USD/JPY | 41.1 | ○ |
EUR/JPY | 37.9 | △ |
AUD/JPY | 35.6 | △ |
NZD/JPY | 39.8 | ○ |
CAD/JPY | 38.9 | ○ |
GBP/JPY | 41.0 | ○ |
TRY/JPY | 27.0 | × |
ZAR/JPY | 34.2 | △ |
MXN/JPY | 29.6 | × |
EUR/USD | 37.1 | △ |
AUD/USD | 36.4 | △ |
NZD/USD | 39.3 | ○ |
GBP/USD | 36.8 | △ |
EUR/GBP | – | ○ |
AUD/NZD | – | ○ |
EUR/GBPとAUD/NZDのデータがないのに有利と判断した理由は、マネースクエアのEUR/GBPの特設ページに以下のようなデータがあったからです。

100pips当たり総推移では、AUD/NZD、EUR/GBP、USD/JPY、NZD/JPY、CAD/JPY、GBP/JPY、NZD/USDがトラリピ向きという結果になりました。
一方、TRY/JPY、MXN/JPYは、100pips当たり総推移が小さく、あまりトラリピ向きではありません。

新興国通貨は、高低差は大きいのに100pips当たり総推移は小さいという残念な結果に。
トラリピでの各通貨ペアのオススメ度は?
以上の結果を整理して、総合的にオススメ度を決めました。
通貨ペア | レンジ相場 | 高低差 | 100pips 当たり 総推移 | オススメ度 |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | ○ | △ | ○ | ★★ |
EUR/JPY | ○ | △ | △ | ★★ |
AUD/JPY | ○ | △ | △ | ★★ |
NZD/JPY | ○ | △ | ○ | ★★ |
CAD/JPY | ○ | ○ | ○ | ★★★ |
GBP/JPY | ○ | × | ○ | ★ |
TRY/JPY | × | × | × | NG |
ZAR/JPY | × | × | △ | NG |
MXN/JPY | △ | △ | × | ★ |
EUR/USD | △ | △ | △ | ★ |
AUD/USD | ○ | △ | △ | ★★ |
NZD/USD | ○ | ○ | ○ | ★★★ |
GBP/USD | ○ | × | △ | ★ |
EUR/GBP | ○ | ○ | ○ | ★★★ |
AUD/NZD | ○ | ○ | ○ | ★★★ |
トラリピでオススメの通貨ペア
○が3つ揃ったオススメ度★★★の通貨ペアを、トラリピにオススメできるものとして選定しました。
CAD/JPY、NZD/USD、EUR/GBP、AUD/NZD
CAD/JPY(カナダドル/円)
トラリピで鉄板と言われるCAD/JPYが、今回の指標に基づく検証でもちゃんとオススメの通貨ペアとして残りました。
マネースクエアでは売りのマイナススワップも小さめなので、ハーフ&ハーフで運用しやすいのもプラスポイントです。
対円通貨でわかりやすいですし、高低差が小さく安心感があるので、トラリピ初心者はCAD/JPYからスタートするのがベストです。
NZD/USD(NZドル/米ドル)
なんとなく地味な存在のNZD/USDも、トラリピにオススメの通貨ペアです(笑)。
我が家でも以前運用していましたが、買いのマイナススワップがイヤで損切りした苦い記憶があります。
今ならマイナススワップを避けて売りで始められるのでオススメ度急上昇中!
EUR/GBP(ユーロ/ポンド)
マネースクエアで新たにリリースされるEUR/GBP、愛称『ユロポン』は独自の値動きをしやすいので、ほかの通貨ペアと組み合わせるのがオススメです。
私も長らくトライオートFXで運用しているお気に入りの通貨ペアです。
ただし、レートの高い対ポンドの通貨ペアなので利益額が大きくなる一方、含み損も大きくなりやすいので、初心者向きとは言いづらいかも…。
AUD/NZD(豪ドル/NZドル)
『オージーキウイ』との愛称を持つAUD/NZDは、『トラリピ最強通貨ペア』との呼び名に恥じない強さを見せつけてくれました。
我が家でも運用していますが、長期チャートを参考にしたレンジ設定ではなく、2014年以降の狭いレンジでコアハーフ戦略(ダイヤモンド戦略)を採用しています。
高低差が圧倒的に小さく、レートの低い対NZドルの通貨ペアなので、資金を抑えた運用がしやすく、初心者にもオススメできる通貨ペアです。

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トラリピでダメな通貨ペア
トラリピ向きの通貨ペアの条件としては、レンジ相場を形成していることが最も重要なので、レンジ相場を形成していないTRY/JPYとZAR/JPYをNGとしました。
TRY/JPY、ZAR/JPY
同じ新興国通貨であるMXN/JPYも微妙なところではありますが、大目に見て★1つにとどめておきました(笑)。
我が家でもMXN/JPYを運用していましたが、コロナショックでの弱さに閉口し、運用を終えることにしました。
まとめ
3つの判断指標に基づいてトラリピ向きの通貨ペアかどうかを見てきましたが、いかがでしたか?

最後におさらいです。
CAD/JPY、NZD/USD、EUR/GBP、AUD/NZD
TRY/JPY、ZAR/JPY
実際には現在レートやスワップなども考慮して通貨ペアを決めることになりますが、今回は本質的にトラリピ向きかどうかを見るために上記3指標による判断としました。
我が家のトラリピ運用も、上記オススメの4通貨ペアを含む5通貨ペアで運用しています。設定条件などの詳細はこちらの記事をどうぞ。
また、トラリピの設定方法については、こちらの記事が参考になるかと思います。
以上、参考にしていただけると嬉しいです。