トラリピ大好きトラリパーのイモラです。
マネースクエアでは、家計のお金を300万円以上運用しています。
今回の記事は、『トラリピにおけるレンジの決め方』をテーマにしたいと思います。
トラリピにおいてレンジは重要条件の1つですが、人によって考え方が異なり、決めるのが難しい項目でもあります。

レンジ設定に正解はありません!
そうは言っても、トラリピを始める以上はレンジを決めなければならないので、レンジを決める際の手順を3ステップに分けて説明します。
なお、この記事は、トラリピの設定方法について一通り説明している下の記事のステップ3の『レンジを決める』を深掘りしたものとなります。
上の記事を読んでも、「レンジの決め方がよくわからなかった」という人にこの記事を読んでもらえると幸いです。
また、「レンジを決める前に通貨ペアを決めなきゃ!」という人は、こちらの記事を先にお読みください。
トラリピのレンジとは?
最初にレンジとは何かについて簡単におさらいです。
トラリピとは、「○円で買って△で売る」というトラップ(イフダン注文)をある範囲に並べた運用手法です。
詳しくはこちらの記事で説明しています。
トラップを仕掛けている範囲のことを『レンジ』と言います。

レートがレンジ内で動いている限りは、利益を積み重ねることができますが、レートがレンジから外れると、利益を生み出せなくなります。
レンジの広い狭いで何が変わる?
トラリピで利益が出る大前提として、「レートがレンジ内で動いている」ことが必要です。
つまり、レンジを広くしたほうが、レートがレンジから外れる(『レンジアウト』と言います)ことが減り、安定的な運用が可能となります。
その一方で、レンジを広くすると、現在レートから遠く離れた範囲までトラップを仕掛けることになり、利益率は低くなりがちです。

反対にレンジを狭くすると、レンジ内でレートが推移している限りは利益率の向上が見込めますが、レンジアウトしやすいという問題を抱えることになります。

広いレンジは安定的、狭いレンジはギャンブル的ってこと?

イメージとしてはそんな感じかな。
- 広いレンジ:利益率は低下しがちだが、レンジアウトしにくいので安定的な運用が可能
- 狭いレンジ:うまくいけば高い利益率を実現できるが、レンジアウトになりやすいので収益が不安定になりがち
レンジと運用資金・トラップ値幅の関係
あとで具体例を交えながら説明しますが、レンジは、運用資金とトラップ値幅との兼ね合いで調整しながら決めることになります。
そこで、レンジと運用資金・値幅の関係について、整理しておきたいと思います。
運用資金が固定の場合
運用資金が同じであれば、レンジを広げるほど、トラップの値幅(間隔)は広がることになります。

値幅が広くなりすぎると、利益がなかなか発生しなくなるので、ある程度の値幅に抑えたいところです。
値幅が過大になるのを回避するためには、レンジをある程度絞り込むことが必要となります。

値幅が広すぎると、決済が少なくてトラリピがつまらなくなります。
トラップ値幅が固定の場合
トラップ値幅が同じであれば、レンジを広げるほどトラップ本数が増えるので、必要資金も増えてしまいます。

潤沢な運用資金がある人は、希望の値幅で広いレンジにトラップを仕掛けることも可能ですが、なかなかそうはいきませんよね。
運用資金が限られている場合、希望のトラップ値幅を実現するためには、レンジをある程度は狭めざるを得ません。
レンジを狭くするとリスクが高くなる?
ときどき「レンジ狭い=リスク高い」と認識している人がいますが、これは正しくありません。
トラリピにおける最大のリスクとは「ロスカットになる」ということです。
トラリピでは、いくらでロスカットになるかというロスカットレートを決めて、そのために必要な資金を確保して運用するのが普通です。
つまり、トラリピの運用リスクはロスカットレートによって決まり、レンジが異なっても、ロスカットレートが同じならリスクは同じです。

ただし、狭いレンジで運用する人は、右下の図のように、ロスカットレートも高め(買いトラリピの場合)にする傾向があります。

この場合、確かにリスクは高くなりますが、それはロスカットレートを変更したからであって、レンジを狭くしたことが直接の原因ではありません。
レンジの広狭とリスクの高低は切り分けて考えるようにしましょう。

ロスカットレートは最初に決めましょう。
レンジを決めるための3ステップ
それでは、具体的なレンジの決め方に進んでいきたいと思います。
私がトラリピに最適な通貨ペアだと考えているCAD/JPY(カナダドル/日本円)を例に挙げて、順番に説明していきます。
なお、私はマイナススワップでは運用しない方針をとっているので、CAD/JPYでは買いトラリピしか運用しません。
以下でも、買いトラリピについてのみ話を進めさせてもらいます。
ステップ1:運用資金とロスカットレートを決める
トラリピでの運用を始める場合、まずは運用資金とロスカットレートを決めておきます。
ここでは、運用資金を30万円、CAD/JPYの買いトラリピのロスカットレートをリーマンショック後の最安値である68円とします。
ロスカットレートについては、100年に一度の暴落と言われたリーマンショックを想定しておけば、かなり安全に運用できるだろうと考えています。
ステップ2:長期チャートからレンジを仮設定する
次に、過去のチャートからレンジを仮設定します。
ここで問題となるのが、「どれくらいの期間のチャートをチェックするか」ということです。
例えば、CAD/JPYの2017年以降の中期チャートをチェックした場合、最安値73円、最高値92円、中間値82.5円となります。

中期チャートを参考にするなら、73~82.5円に買いトラリピを仕掛けるのが妥当と言えそうですね。
しかし、CAD/JPYの2007年以降の長期チャートを見てみると印象が一変します。先ほどの中期チャートがごく一部しか捉えていないのが一目瞭然ですね。

長期チャートでは、最安値68円、最高値126円、中間値97円となり、買いトラリピのレンジとしては68~97円が妥当そうです。
レンジの仮設定は、トラリピを仕掛けるのに妥当なレンジをざっくりと把握することを目的としています。
その目的を考えると、数年程度の中期チャートでは心もとなく、少なくとも10年以上、できれば2008年のリーマンショックを含む長期チャートを確認したいところです。
例えば、中期チャートで判断すると82.5円より上に買いトラリピを仕掛けることはためらわれますが、長期チャートだと全然OKですよね。
というわけで、ここでは、長期チャートから求めた68~97円をCAD/JPYの買いトラリピのレンジとして仮設定します。
ステップ3:『トラリピ運用試算表』を使ってレンジを調整する
買いトラリピのレンジとして仮設定した68~97円を、そのまま実際に運用するレンジとしてもOKです。
しかし、レンジ幅が約30円と非常に広く、潤沢な運用資金がないと値幅がかなり広くなってしまいます。
そこで、マネースクエアの『トラリピ運用試算表』を使って、レンジを現実的な範囲に調整していきたいと思います。
トラリピ運用試算表を使ったことがない人は、下の記事のステップ6を参考にしてください。この記事でも簡単には説明します。
まず、レンジが仮設定の68~97円の場合に、トラップ値幅がいくらになるかを確認してみましょう。
トラリピ運用試算表の入力画面に、レンジ68~97円を入力し、トラップ本数を徐々に減らしていきながら、ロスカットレートが最初に68円を下回る本数を探します。

利益額は適当でOK!トラップ本数は多めで始めてください。

すると、トラップ本数を17本にしたときに、ロスカットレートが67.55円と68円を下回りました。このときのトラップ値幅は1.812円でした。


値幅1.8円はさすがに広すぎるかな。
個人的にはトラップ値幅は1.812円は大きすぎます。CAD/JPYなら最低でも1.0円、できれば0.5円程度の値幅にしたいです。
それに現在レートが約80円であることを考えると、90円以上に仕掛けておいても、そこまで上昇するのにはまだまだ時間がかかりそうです。
また、コロナショックでもCAD/JPYの下落は74円にとどまったことを考慮すると、74円よりも下にトラップを仕掛けるのはあまり意味がなさそう。
というわけで、レンジを74~90円に狭めて、トラリピ運用試算表で試算しなおしてみます。

この場合も、トラップ本数を17本にしたときに、ロスカットレートが67.034円と68円を下回りました。このときのトラップ値幅は1.0円です。

長期安定運用を重視する人なら、この運用条件(レンジ74~90円、値幅1.0円)で運用してみるのもアリだと思います。
ただ、私的にはもう少しリターンも追求したいので、トラップ値幅を0.5円程度までは小さくしたいです。
このあたりからは好みや条件に応じた微調整の領域になってきます。
例えば、「現在レートの80円を中心に上下5円をとって75~85円にしてみよう」とかやってみるわけです。

この場合は、トラップ本数を20本にしたときに、ロスカットレートが67.705円と68円を下回り、トラップ値幅は0.526円となりました。


これならレンジも値幅もほどよいかな。
もっとトラップ値幅を小さくしたいなら、レンジを狭くしてもいいかもしません。
「レンジはこれ以上狭くしたくないけど、トラップ値幅はもう少し小さくしたい」というなら、運用資金を増やすしかありません。
こうやって調整しながら、自分が納得のいく運用条件を決めていくことになります。
ちなみに私の実際の運用では、CAD/JPYは78~86円のレンジで運用を行っていますが、コロナショックでは一時レンジアウトしてしまいました。
レンジアウトしても、トッピングリピートやレンジ抜け対策で対応できましたが、もう少しレンジを下に広げてもいいかなと考えています。
以上、長くなりましたが、いかがでしたか?
トラリピは、私のように裁量トレードではうまくいかなかった人でも、利益を着々と築き上げることのできる安定感のある運用です。
ただし、そのためには運用条件をしっかりと考える必要があり、そのためには『トラリピ運用試算表』は必須です。
これはマネースクエアの口座を持っていないと利用できないので、トラリピに興味のある人はとりあえず口座開設だけでもしておきましょう。
また、当ブログからマネースクエアでトラリピの口座開設をした場合、タイアップ特典として『トラリピ資金管理ツール』をプレゼントしています。
これは、レンジ、値幅、ロスカットレートなどの運用を条件からいくらの資金が必要になるかと求めることが簡単にできるものです。
トラリピの運用条件を検討する際に便利なので、これからトラリピを始める人はぜひ手にしてみてください。

あなたもトラリピでお金のなる木を育ててみませんか?