コロナショック後にトライオートETFで運用し始めたナスダック100トリプル(TQQQ)。
昨年は年利57.7%と怪しいぐらいの好成績を残せました。
ナスダックの強さゆえにTQQQも価格が大きく上がり、2021年1月21日にTQQQの分割が実行されることに。
TQQQの分割を機会に、TQQQに加えて、金融株トリプル(FAS)の運用を新たにトライオートETFで始めることにしました。
この記事では、私がトライオートETFでTQQQ+FASの2本立て運用に変更することに決めた理由と、その運用条件についてまとめています。
金融株トリプル(FAS)の運用を始める理由は?
ナスダック100トリプル(TQQQ)は、ハイテク株の比率が高いナスダック100指数の3倍の値動きをするレバレッジ型ETFです。
TQQQの詳細に関してはこちらの記事もどうぞ。
一方、金融株トリプル(FAS)は、米国の大型金融株から構成される株価指数の3倍の値動きをする、こちらもレバレッジ型ETFです。
TQQQはコロナショック後のV字回復が目覚ましく、すでにコロナショック前の最高値を大きく更新しています。
これに対し、FASはコロナショックからの回復が鈍く、まだコロナショック前の半値戻し程度。
TQQQよりも割安に運用できるFASが以前から気にはなっていたものの、TQQQで十分な運用成果が上がっていたのでFASには手を出していませんでした。
しかし、鈴木さんのこちらの記事を読んで、FASに対する興味が俄然湧いてきました。
バイデン次期大統領が率いる民主党が議会の上下両院も制し、いわゆる「トリプルブルー」となったことで金利高になり、金融株上昇の兆しが見られるとのこと。
金融株が上がるのならFASも運用してみたい。それに、ハイテク株の集合体であるTQQQは今は絶好調ですが、それがずっと続くわけではないでしょう。

過去にはITバブル崩壊もありました。
私は相場を予想することは得意ではないので、それならTQQQとFASに分散投資すればいいのではないかと考えたわけです。
そのほうが資金的にも少し楽になりますしね(笑)。
TQQQやFASをトラリピ運用する意味は?
私はトライオートETFでトラリピ運用しています。
「そもそもトラリピって何ぞや?」という人は、こちらの記事を読んでいただければと思います。
TQQQもFASも基準指数の3倍という大きな値動きをすることから、日々の値動きを利益に変えるトラリピ運用向きと言えます。
どちらも株価指数なので、為替とは違って基本的に上昇を目指すはず。
それなら、トラリピ運用でなく、「ETFを長期保有しておけばいいじゃないか」という考え方もありますよね。

でもね、私、日々のチャリンチャリンが好きなんです。

出た!お気に入りのフレーズ。
確かにETFを購入して適当なタイミングで売却すれば、トラリピ運用以上に大きな利益を出すことができるかもしれません。
でも、その『適当なタイミング』を見極めるのがいかに難しいかは、最近の仮想通貨の上昇でも経験していることです。
それなら、日々細かく利確を重ねていくトラリピ運用のほうがストレスが少なく、私には向いているようです。

だって、私、日々のチャリンチャリンが好きなんですから。

うん、わかった。
iDeCoで米国株や世界株の投資信託をドルコスト平均法で購入しているので、長期ホールドはそちらに任せたらよいかと考えています。
TQQQとFASの運用条件
ナスダック100トリプル(TQQQ)と金融株トリプル(FAS)の運用条件はこのようにしました。
銘柄 | TQQQ | FAS |
---|---|---|
買・売 | 買い | 買い |
運用レンジ | 61~140ドル | 41~110ドル |
注文値幅 | 1ドル | 1ドル |
注文本数 | 80本 | 70本 |
注文数量 | 1口 | 1口 |
利確幅 | 奇数ドル:10ドル 偶数ドル:5ドル | 奇数ドル:10ドル 偶数ドル:5ドル |
ロスカットレート | 0ドル | 0ドル |
必要資金 | 924,400円 | 616,350円 |

今までよりレンジは狭めです。
追記:TQQQとFASのレートがほぼ同じ水準となってきたので、3月6日に運用レンジを下の表のように調整しました。また、利確幅も狭めに変更しました。
銘柄 | TQQQ | FAS |
---|---|---|
買・売 | 買い | 買い |
運用レンジ | 51~140ドル | 51~110ドル |
注文値幅 | 1ドル | 1ドル |
注文本数 | 90本 | 60本 |
注文数量 | 1口 | 1口 |
利確幅 | 奇数ドル:8ドル 偶数ドル:4ドル | 奇数ドル:8ドル 偶数ドル:4ドル |
ロスカットレート | 0ドル | 0ドル |
必要資金 | 990,450円 | 561,300円 |
運用レンジとロスカットレート
TQQQの運用レンジは、60~140ドル(分割前の120~280ドル)としています。

FASの運用レンジは、40~110ドルとしています。

TQQQもFASも資金効率を上げるため、レンジをある程度絞り込んでいます。
このため、暴落が起きればレンジアウトして機会損失となりますが、ロスカットレートは0ドルとしているので、レンジアウト=ロスカットというわけではありません。

ロスカットレートが0ドルなら安全そうね。

繰上償還(早期償還)が唯一の不安材料かな。
上抜けしそうなときは、運用レンジを上側にスライドさせて追いかけていくつもりです。
下抜けした場合は、未約定の注文があればその資金を使って、下側にレンジを拡張します。考え方はこちらの記事が参考になるかと思います。
なお、下抜けのときは安値で仕込めるチャンスとも言えるので、状況次第ですが、資金を追加して攻めに転じるかもしれません。
利確幅
利確幅については、TQQQとFASのどちらも5ドルの注文と10ドルの注文を交互に仕掛けることにしました。
利確幅を分散させたほうが利益が安定化しそうだというのは、先ほどご紹介した鈴木さんやこちらのヒナタさんから学んだことです。
現在進行形で利確幅の検証をされているので非常に参考になります。
必要資金
下の表は、ロスカットレートを0ドルとする場合の必要資金を、10ドルごとのブロックに分けて示したものです。
TQQQでもFASでも必要資金は同じで、1ドル110円、0ドルでの必要証拠金は最低額の500円としています。

この資金管理表は今までと変わりありません。
レンジ | 必要資金 (値幅1ドル) |
---|---|
141~150ドル | 165,050円 |
131~140ドル | 154,050円 |
121~130ドル | 143,050円 |
111~120ドル | 132,050円 |
101~110ドル | 121,050円 |
91~100ドル | 110,050円 |
81~90ドル | 99,050円 |
71~80ドル | 88,050円 |
61~70ドル | 77,050円 |
51~60ドル | 66,050円 |
41~50ドル | 55,050円 |
31~40ドル | 44,050円 |
21~30ドル | 33,050円 |
11~20ドル | 22,050円 |
1~10ドル | 11,050円 |
TQQQは61~140ドルのブロックの合計額924,400円が、FASは41~110ドルのブロックの合計額616,350円が必要資金ということになります。
TQQQとFASを合わせて150万円強が必要ですが、現在、トライオートETFの口座にある133万円で運用することにします。

投入元本の100万円でどこまでいけるか挑戦!
もっと少額で運用したい人は、例えば、値幅を2ドルにすれば上の表の約半分の資金で済ませることができますよ。
レンジを狭めることでも必要資金を減らすことができますが、さらにレンジアウトしやすくなるのでご注意を!
鈴さんのスタートダッシュをやってみる!
今回のTQQQの分割後、いろんな方が新設定を公開されていますが、圧巻は鈴さんのブロック戦略です。
いろいろな技が組み込まれていますが、中でも興味深いのがスタートダッシュの裏ワザ。
簡単に言うと、運用開始時に、すぐに約定することのない高値の注文分の資金で、現在値付近の注文を厚めにしようというものです。
概略だけ説明すると、例えば運用開始時にTQQQが90ドルだったとします。
そうすると、少なくとも111~140ドルの注文がすぐに約定することはないので、これらのブロックのために用意した資金は遊んでいる状態になります。
この遊んでいる資金を使って、運用開始時の価格である90ドル付近の81~110ドルのブロックを2口で運用します。
レンジ | 運用開始時 90ドル | 110ドル 突破時 | 120ドル 突破時 | 130ドル 突破時 |
---|---|---|---|---|
131~140ドル | 0口 | 0口 | 0口 | 1口 |
121~130ドル | 0口 | 0口 | 1口 | 1口 |
111~120ドル | 0口 | 1口 | 1口 | 1口 |
101~110ドル | 2口 | 2口 | 2口 | 1口 |
91~100ドル | 2口 | 2口 | 1口 | 1口 |
81~90ドル | 2口 | 1口 | 1口 | 1口 |
こうすることで、運用開始直後の利益を増やすことができ、スタートダッシュをかませることができるというわけです。
なお、上の表ではわかりやすくするため、遊んでいる状態のブロックを『0口』と書いていますが、実際に稼働停止する必要は特にありません。
TQQQの価格が110ドルを突破したら、111~120ドルのブロックに資金を戻すため、81~90ドルのブロックを1口に戻します。
同様に、120ドルを突破すれば91~100ドルのブロックを1口に戻し、130ドルを突破すれば101~110ドルのブロックを1口に戻し、最後は通常運転とします。
ここで説明したスタートダッシュのやり方はあくまでも一例であり、いろいろなアレンジがあると思うので、私も試行錯誤しながらやっていきます。

これは楽しみ!
ビルダーを使った具体的なプログラムの作成方法
私が実際に作成するプログラムについて説明します。
プログラムの作成には、トライオートETFの『ビルダー』という機能を使います。
下の記事でトライオートFXのビルダーの使い方を詳しく説明していますが、トライオートETFも使い方は同様です。
今回は注文価格が奇数ドルの利確幅を10ドル、注文価格が偶数ドルの利確幅を5ドルとするので、TQQQとFASのそれぞれに関して、以下の2つのプログラムを作成します。


レンジを1~200ドルと実際の運用レンジよりも広くしているのは、レンジアウトを考慮してのことです。
広めのレンジでプログラムを作成し、運用レンジ外の注文は稼働OFFにしておきます。こうすれば、レンジを拡張する際には、稼働ボタンをONにするだけでOK。

トライオートの稼働ボタンは重宝します。

また、スタートダッシュで口数を増やす場合は、上の図の『…』のところから条件変更ができますので、プログラムを追加する必要はありません。
本数が多い場合は変更に手間がかかりますが、同じところから、稼働中のプログラムの利確幅の変更もできますよ。
以上、参考にしていただけると嬉しいです。
追記:TQQQ+FASの2本立て運用を終了しました
2021年4月11日にTQQQとFASの2本立て運用を終了することにしました。
TQQQに一本化した理由
2本立て運用をやめて、TQQQに一本化した主な理由は次の2つです。
- 運用対象を減らしたい
- FASの割安感がなくなった
運用に関してあれやこれや考えるのは楽しさもありますが、最近の私はそれに少し疲れてきた感が…(笑)。
そこで、最近はできるだけまったりと運用できる『ほったらかし運用』にシフトしています。
トラリピでの5通貨ペア運用、トライオートFXでの6通貨ペア運用、コインチェックでの毎日つみたてやレンディングもその一環です。
しかし、レンジ相場を形成しやすい為替と異なり、上昇傾向の強いTQQQとFASに関しては、状況に応じてレンジや利確幅の変更を行っています。
そういった管理負担を軽減したくてTQQQ1本に絞ったというのが1つ目の理由。
2つ目の理由がFASの割安感がなくなったことです。
現在、TQQQもFASも100ドル前後で推移しており、FASの割安感はなくなっています。
また、コロナショックでFASがTQQQより大きく暴落し、その後の回復が遅かったことを考えると、レートが変わらないならFASよりもTQQQのほうが魅力的と考えました。

TQQQのV字回復はすごかった!
2本立て運用の実績
2本立て運用を行っていた約3か月間の総利益(分配金、金利含む)と利益率は、下の表のようになりました。
途中でレンジ変更を行ったので、年利を計算する際の分母となる運用資金は、日数で比例配分して求めています。
銘柄 | 総利益 | 年利 |
---|---|---|
TQQQ | 99,637円 | 46% |
FAS | 74,831円 | 59% |
合計 | 174,468円 | 51% |
総利益はTQQQがFASの3割増しという結果でしたが、利益率で比較すると当初割安だったFASのほうが好成績となりました。
こちらは週間利益を比較したものです。

TQQQが強かった週もあればFASが強かった週もあり、2銘柄に分散したことの効果がうかがえます。

全体的にはTQQQのほうが勢いがあったかな。
今回は一旦FASから撤退しますが、2本立ての分散効果は大きいと思うので、状況によっては2本立て運用を再開するかもしれません(笑)。
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