マネースクエアだけでなく、インヴァスト証券のトライオートFXでもトラリピ運用しているイモラです。
トライオートFXを使ったことのある人なら、『推奨証拠金』なる表示を見たことがあるかと思います。
推奨証拠金という言葉の響きから、「これだけ入金しておけば安全なんだろう」と思いがちですが、本当にそうなのでしょうか?
そもそも、推奨証拠金って一体何なんでしょう?
この記事では、トライオートFXの推奨証拠金について詳しく説明したいと思います。
トライオートFXの推奨証拠金とは?
インヴァスト証券の公式ページで、推奨証拠金とは何かを改めて調べましたが、残念ながら一言でわかりやすく説明した記載は見つかりませんでした。
ただ、以下のような記載が推奨証拠金のイメージをつかむのに参考になるかと思います。
実際の必要証拠金額はこれよりも少ないので、推奨証拠金額が口座になくても稼動することはできますが、これを無視するとすぐにロスカットになってしまうなど資金管理面で問題が発生します。
(中略)
より安全に運用したい方は、推奨証拠金よりも資金を多く用意していただければOKです。ですが、推奨証拠金以下の金額で運用を始めるとロスカットのリスクが高まりますので、始める際には目安として信用していただければと思います。
(中略)
ただ、推奨証拠金以上の金額で運用を行っていれば絶対にロスカットしないという保障はありません。運用を始める際はロスカットルールを確認しましょう。
https://www.invast.jp/blogs/tafx/fx-start-guide/
結局、推奨証拠金の位置づけは「運用する際の目安となる額」にすぎません。

目安ってなんだかあいまいね。

でも目安としか言いようがないのもわかる(笑)。
後ほど説明しますが、覚えておきたいのは、「推奨証拠金で運用していてもロスカットになる可能性はある」ということです。
推奨証拠金はどうやって計算するの?
では、推奨証拠金が具体的にどのように計算されているかを見ていきましょう。
推奨証拠金を求める計算式は下記のとおり。
(推奨証拠金)=(必要証拠金)+(シミュレーション期間内の最大評価損失)
(必要証拠金)は、プログラムに含まれる全注文が約定した場合に必要となる証拠金です。
プログラムに買い注文と売り注文の両方が含まれる場合は、注文本数が多いほうだけをカウントします。
推奨証拠金を理解するうえでポイントとなるのが、(シミュレーション期間内の最大評価損失)という部分です。
トライオートFXでは、プログラムのシミュレーション(バックテスト)を行うことができます。
2021年3月時点なら、2019年1月1日から現在までのシミュレーションか、2020年1月1日から現在までのシミュレーションかを選ぶことができます。

シミュレーション期間を選ぶと、その間の実現損益や評価損益の推移が示されます。
(シミュレーション期間内の最大評価損失)とは、シミュレーション結果画面に示される赤いグラフが一番下まで伸びたときの額、すなわち、期間中の最大含み損のことです。
つまり、推奨証拠金は運用するのに必要な証拠金とシミュレーション期間内の最大含み損の合計ということになります。
もう少しかみ砕くと、「推奨証拠金とは、シミュレーション期間内にロスカットにならないための必要最低額」と言えるでしょう。
推奨証拠金でもロスカットになる可能性はある
繰り返しますが「推奨証拠金とは、シミュレーション期間内にロスカットにならないための必要最低額」です。
つまり、選択したシミュレーション期間よりも大きな含み損が今後発生しない限りは、推奨証拠金で運用していればロスカットになることはないでしょう。
一方、シミュレーション期間よりも含み損が大きくなれば、推奨証拠金で運用しているとロスカットになるおそれがあります。

それまでの利益が多ければ助かる可能性もあります。
推奨証拠金は当てになる?
ここで私が気になるのが、トライオートFXのシミュレーション期間が2~3年程度と短い点です。
過去2~3年の最大含み損を超えると、そのたびに推奨証拠金が塗り替えられるわけで、長期運用の参考にするには心もとない気がします。
例えば、コロナショックのような大きなショック相場があると、その前後で推奨証拠金が一気に増加します。
試しに私が認定ビルダーとしてリリースさせてもらったプログラム『3通貨ペア長期運用プラン』の推奨証拠金のコロナショック前後での変化を見てみましょう。
コロナショック前のリリース時点(2019年12月)では、推奨証拠金が約144万円でした。

同じプログラムの推奨証拠金を今確認してみると、コロナショックで大きく膨らんだ含み損のせいで約215万円と70万円も高くなっています。

コロナショック前の推奨証拠金で運用していた場合には、コロナショックでの含み損に耐えきれずにロスカットになっていたことが予想されます。

私はリーマンショック以降の最安値・最高値をロスカットレートとした資金管理をしていたのでセーフでした。
では、トライオートFXの推奨証拠金を当てにするのはやめたほうがいいのかと言えば、そうとも言いきれません。
個人的には、シミュレーション期間にコロナショックが含まれている間は、推奨証拠金を運用資金の目安とする価値は大いにあると考えています。
なぜなら、コロナショックの影響が反映された推奨証拠金ならば、今後もコロナショック程度のショック相場なら耐えられる可能性が高いからです。

コロナショックを超えればアウトってことよね?

そのとおり。その可能性をどの程度と考えるかだね。
トライオートFXの推奨証拠金に関するまとめ
先日からトライオートFXで6通貨ペア運用を始めています。
相関関係の低い通貨ペアを選んでたどり着いた6通貨ペアです。
私がトラリピ運用の条件を決める際には、まずロスカットレートを決めて、それに必要な資金を求めています。
しかし、相関関係の低い6通貨ペアで運用する場合に、この方法ですべての通貨ペアの運用資金を求めると、あまりにも資金効率が悪くなります。
というのも、相関関係が低い通貨ペア同士なら、ある通貨ペアがロスカットレートに達しても、ほかの通貨ペアの余裕資金でカバーできる可能性が高いからです。

それを狙ってるわけでもありますし。
この点、トライオートFXの推奨証拠金は、複数の通貨ペアを含むプログラムの場合、各通貨ペアの含み損を合わせて考慮した必要最低額を提示してくれます。
したがって、相関関係が低い複数の通貨ペアで効率的な運用を考える場合には、推奨証拠金がギリギリ側の目安として参考になるのではないかと考えています。

6通貨ペア運用についてはまた後日、記事を書く予定です。
最後に、トライオートFXの推奨証拠金に関してまとめておきます。
- 推奨証拠金は、シミュレーション期間内にロスカットにならないための必要最低額。
- 推奨証拠金で運用してても、ロスカットになる可能性はある。
- シミュレーション期間が2~3年程度と短いのが心もとない。
- シミュレーション期間にコロナショックが含まれている間は推奨証拠金の利用価値大。
- 相関関係が低い複数の通貨ペアで運用する場合、推奨証拠金はギリギリ側の目安として使えそう。
トライオートFXでトラリピ運用するメリット・デメリットについて知りたい人は、こちらの記事もどうぞ。